2011年度 社団法人 日立青年会議所


2011年度 理事長所信

 

 

45代理事長 有金 重幸

【原点を振り返る瞬間(とき)】
  (社)日立青年会議所は、1966年12月10日に高い志を持った諸先輩のご尽力により、日本で340番目の青年会議所として誕生いたしました。以来、敗戦からの復興、高度経済成長、バブルの崩壊を経験し今日にいたります。その間、変革の能動者として常に地域の先頭に立ち、明るい豊かな社会の実現を目指し、地域からの信頼と負託に応えるべく、青年会議所運動に熱い情熱を注がれて来られました創始の志は、今日まで脈々と受け継がれております。
  そして本年、創立45周年を迎えるにあたり、今日にいたるまでの(社)日立青年会議所の軌跡を振り返り、今一度青年会議所運動の原点を見つめ直し、創始の時代がそうであったように、我々責任世代が地域や子どもたちの未来へ何を残してあげられるのかを真剣に考え、それを具体的に実行に移す責任を改めて考え直す時期に来ているのです。
  現在、政治や経済の混迷が続く中、先が見えていることに取り組むことは容易でありますが、先が見えない混迷の中でチャレンジすることこそが青年会議所運動の原点であります。目の前に結果が見えていることを一生懸命取り組むことは誰でも出来ることです。しかし、何も見えない手探りの状態の中で、自分自身のしっかりとしたビジョンを描きながら一生懸命取り組む姿こそ、人々の心を動かし感動を与えるのです。その感動は伝播し、共感と理解を深め仲間を増やしていくのです。
  2011年度は、全メンバーが心を一つにし、来る50周年に向けて、青年だからこそ描ける壮大な夢と豊かな発想力を持って未来を切り拓き、まだ見ぬ成長した自分と出会い、そして今まで味わったことのない感動を得るために、青年らしく勇気を持って行動してまいりましょう。

【新しき風を吹き込む瞬間(とき)】
  近年、この厳しい経済状況の中、全国的にメンバー数の減少が危惧されています。(社)日立青年会議所においても現在の年齢構成をみれば、更なる会員の拡大、そして組織力の強化が急務となって参ります。そして、我々青年会議所が目指す「明るい豊かな社会」の実現には数多くの人々の理解と協力、そして何より共に汗をかき、涙を流すことのできる仲間が数多く必要であります。さらに、(社)日立青年会議所がその時代時代において活力ある団体として存続して来られたのは、40歳という年齢制限の中でメンバーが常に入れ替わり、新しい発想力や行動力を持って、硬直しない機能的で柔軟な組織を常に築き上げてきたことに他なりません。
 新入会員が新しい風を吹き込み、メンバー同士が刺激しあい能力の向上を図りつつ、それぞれが成長していくというJCの素晴らしい特徴を維持していくために、会員の拡大はメンバー全員が危機感を持って真剣に取り組むべき重要課題です。
 (社)日立青年会議所の誇りと伝統、そして44年間にわたり継承している志を再認識し、断固たる決意を持ってこの急務である会員拡大に一致団結して臨み成し遂げましょう。そして数多くの新しい風と混じり、若さ溢れる組織として意識改革を行い、「明るい豊かな社会」の実現を目指し、共に成長していきましょう。そうしていくことが、組織力の強化に繋がっていくのです。

【同じ志を持つ仲間が一つになる瞬間(とき)】
 私達(社)日立青年会議所は常に活気に満ち溢れ、メンバーひとりひとりが志をひとつに、夢と希望を持って行動できる団体でありたいと考えております。そのためにはお互いの価値観と可能性を認め合い、一人でも多くの仲間との心の触れ合いを通して、心の絆を築くことが必要です。相手を思いやる心と相手を尊重できる心を持ち、揺るぎない友情を育むことも大切です。一緒に苦慮し行動し感動を分かち合う、私達の絆が一つになったとき、はかりえぬ力を発揮する事は間違いありません。
私達はひとりじゃない、仲間がいるんだという意識をもって活動してまいりましょう。 

【日立の魅力を知る瞬間(とき)】
 現在、多くの地方自治体は、地方分権化への流れを受けて市民参加によるまちづくりを推進しています。私は真の地方自治とは「地域の人々が、この地域の未来への責任と、自らの行動で地域の未来を変えることが出来るという自覚を持って、まちづくりに関わることができる地域主権型社会」であると考えます。そのためにも、まずわれわれ青年会議所がこの地域に郷土愛を持つことが大事あり、そこから湧き出るこの日立のために行動するという気概が必要なのです。その郷土愛を育むには、さまざまな地域資源のひとつでもわれわれが魅力と感じること、さらにその魅力を日立市民とも共感できることが必要です。自分が魅力と感じていることを他者にも評価されたとき、そのものに対してさらに魅力を感じるはずです。つまり、この日立の魅力への気づきと共感が郷土愛を育む上で重要なことなのです。
「日立にはまだまだこんな魅力があるのだ」、「日立をもっともっと活気あふれるまちにしたい」と、この日立の地に生きる喜びや愛する気持ちを高めていくためにも、もっともっと日立を知る努力が必要だと思います。 「日立市の魅力はどんな所ですか?」と聞かれた時に、誇りを持って答えられる。そんな青年でありたいと思います。
そのうえでの事業展開が、私たちの思いが強く伝わる事業となっていくことと考えます。
(本当の自分を知り、本当の自分をつくれる人であって、初めて人を知ることができる、人をつくることができる。  国を知り、国をつくることもできる。世界を知り、世界をつくることもできる。)

【未来の笑顔の為に今、変わる瞬間(とき)】
 子どもたちを取り巻く環境は時代とともに大きく変化しました。どの時代もそれぞれの時代が抱える特有の社会問題が存在したとは思いますが、現代の特徴は、子どもたちに限らず大人自身が抱える問題の多さ、複雑さではないでしょうか。地域の大人と子供のふれあいという現代では求めても手に入りにくいともいえる大切なものが、あたりまえのようにあった時代。大人たちとのふれあいの中で、親や学校では学べないいろんなことを学んでいました。しかし、現在は家族単位、個人単位でのライフスタイルが尊重され、地域の大人の存在意義が子供たちから薄れてしまっているのではないでしょうか。子は親の背中を見ています、それと同時に周りの大人の背中も見ています。様々なメディアから流れる、犯罪や問題を起こした大人の背中が、周りの大人の背中と思われてしまっては、大人に対しての信頼は薄れてしまいます。そうならないように、将来を担う子供たちのために、この地域のため真剣に活動している大人の背中を見せなければなりません。それによって、次の世代においてもこの地域のために活動をする大人へと成長していってくれるはずです。そのためにも、我々は積極的に青少年を育成するための事業を展開していかなければなりません。

【今この瞬間(とき)を精一杯生きる】  
 人間の生命には限りがあり、当然残された時間は一刻一刻、誰もが等しく少なくなって参ります。だからこそ、我々はこの一日、この瞬間を大事にして、人生を有意義に過ごさなければなりません。私は、歴史ある(社)日立青年会議所の創立45周年という節目の年に、理事長という重責を担うことに誇りを感じ、多くの諸先輩方の熱き想いが込められているこの一年間を一時も無駄にすることなく(社)日立青年会議所の発展のために、そして日立市の未来のために、全メンバーと共に青年会議所運動に邁進してまいります。
 現在の厳しい社会状況の中、青年会議所運動を続けていくことは決して楽なことではありません。しかし、こういう時代だからこそ、我々青年会議所の存在価値が問われているのだと感じます。今一度、創始の志を思い起こし、自らを更に成長させ、若い発想力と実践する行動力を持って、創立50周年に向けて新たな歴史を創る喜びと責任を感じながら、全メンバー一丸となって仕事に家庭に青年会議所運動に一生懸命取り組んでまいりましょう。