2015年度 理事長所信

 

第49代理事長 関山 干郎

 

【はじめに】

想像してください。

子どもたちが笑顔に溢れすくすくと育つ姿を。

大勢の人で賑わい、生き生きと活気に溢れるこの地域の未来を。

 

  「人が想像出来ることは、必ず人が実現できる」これは、フランスの作家ジュール・ヴェルヌの言葉であり、人類が初めて月面着陸したアポロ計画にも影響を与えたと知られています。難しい問題は、さじを投げ出してしまう人がほとんどかもしれません。しかしどんな難題でも、諦めることをせず、皆で知恵を出し合い、行動に移していけば、必ず答えを導くことができるはずです。そしてなによりもこの地域に住み、働く我々にとって、今以上によりよいまちになるように努め、子どもたちの将来を考えていくことは、使命であり責任だと考えます。

 常に輝ける未来を描き、どんな困難にも恐れず、まずはその一歩を踏み出しましょう。

 誰にでも挑戦する権利と実現する可能性を秘めているのだから。

 

【会員拡大こそが我々の運動の根幹である】

  一般社団法人日立青年会議所は、「奉仕・修練・友情」の三信条のもと、明るい豊かな社会の実現を目指し、48年の歴史と伝統を積み重ね存在意義を見出してきました。そして、今後も日立のまちになくてはならない存在であり続けていかなければならない組織であります。なによりも青年会議所には40歳で卒業というルールがある以上、絶えず新しい仲間を増やす必要があり、会員拡大は活気に満ちた強い組織であり続ける為の永続事業であることを忘れてはいけません。

  会員を拡大する上で一番重要な事は、魅力のある組織であり続けることだと考えます。魅力のある組織には自然と人は集まります。そのためにも、私たち自身が地域のリーダーとして魅力のある人間に成長することが必要です。

  会員拡大活動は、我々の運動の理解者を地域に広げることができることも理解し、全メンバーで未来の仲間たちに熱い想いをぶつけていきましょう。

 

【次世代を担う地域のリーダーを目指して】

 私たちが、これから先もこの地域で力強く運動を展開していくには、組織を成す個々の成長は欠かせません。そして青年会議所には、自己の成長を高める機会が十分にあります。それを好機と捉え、自ら求めていけば必ず自分自身にとってプラスとなり返ってくるのです。特に若いメンバーの皆様には、広い視野をもち、仲間と共に多くの経験を積んでもらい、かけがえのない時間を過ごしてほしいと考えます。

  地域のリーダーたる人材への成長は、組織や地域に元気を与え、よりよい発展に繋がります。明るい豊かな社会に向けて自ら率先して個々の資質を高めて参りましょう。

 

【この地域の未来】

  「魅力のない都道府県 全国1位」「市町村別転出超過人数 全国2位」と喜ばしくないニュースが流れており、人口減少や少子高齢化なども問題視されています。更にはこの地域における社会的経済的拠点でもある市街地においても活気が失われているのが現状ではないでしょうか。私たちは、この日立が活気のあるまちになるためにも「何をするべきなのか」「何が必要なのか」と真剣に取り組まなければなりません。

  緑豊かな山々と、青く澄みわたる海に囲まれた自然環境、この地で育まれ、集積された世界レベルの産業と技術、そして誰もが誇れる歴史と文化のあるこの日立のまちに於いて、子どもたちの未来のためにも新たな価値を創出していきましょう。

 

【子どもたちのために】

  少子化や情報化の進展に伴い、子どもたちの取り巻く社会環境は大きく変化し、人間関係の稀薄化により地域社会との関わりをもつ機会が少なくなっているのではないでしょうか。そのような時代だからこそ、子どもたちには多くの人と接することにより、相手の立場に立って物事を考えることのできる思いやりの心や道徳心を育むことが大切だと考えます。なによりも、この地域の10年後、更には20年後と未来を見据えたときに、このまちを支えて輝かせていくのは、今この時代を生きている子どもたちです。               

  大きな可能性を秘めた子どもたちの豊かな心を育み、次世代を担う大人へ成長するよう導いていきましょう。

 

【常に目的を持つ】

 私たちがJC運動や事業を行う上で、常に意識をしなければならない事は「目的」だと考えます。特に事業に於いては、目的が明確であればあるほど素晴らしく感じられるのではないでしょうか。それは、明確な目的こそが、価値観を共有し、モチベーションを高め、メンバーの行動に繋がるからだと考えます。各々が事業計画に於いて、5サイクル(調査・分析・企画・行動・評価)のプロセスを踏まえる上で、現状の把握と問題の発見の調査・分析をしっかりと精査することが、事業の明確な目的に繋がるはずです。

 そして各委員会が事業の計画をしますが、それは日立青年会議所全体での事業ということを忘れてはいけません。私たちが目的を達成するために一丸となることが、素晴らしい事業を作りあげることはもとより、明るい豊かな社会の実現に繋がるのですから。

 

【50周年向けて】  

  一般社団法人日立青年会議所は、2016年創立50周年を迎えます。1966年に設立以来、常に時代の先頭にたち、高い志と熱い情熱のもと、明るい豊かな社会の実現に向けて運動展開してきました。今こうして私たちがJCとして活動ができるのも、先輩諸兄が長きに渡り歴史と伝統を築き、この地域に素晴らしい功績を残してきたからと言っても過言ではありません。脈々と引き継がれてきた創始の意思を、私たちメンバーがしっかりと継承し、次世代にバトンを渡すのも重要な役割だと考えます。

  半世紀という大きな節目の準備の年として、これまで先輩諸兄が積み重ねてきた歴史を今一度振り返り、我々の運動の意義を再認識し、その中で、更に未来に向けての明確なヴィジョンを描くことが必要だと考えます。

  来る50周年に向けて、メンバー一人ひとりが意識を高めると共に、日立青年会議所の結束を強固なものにし、未来を見据えたしっかりとした土台を構築していきましょう。

 

【おわりに】

  私が入会して以来、青年会議所は多くの出会いと機会を与えてくれ、多くの仲間と自分の成長は財産になりました。仲間と共に様々な活動をする中で、時には失敗し悔んだことも多々あります。しかし経験しなければ悔むことも出来なければ、成長することも出来ないのです。

 

 努力し成功すれば自信になる。

 努力し成功しなければ経験が残る。

 努力せずに成功しなければ後悔が残り、

 努力せずに成功すれば天狗になる。

 

  「できる」「できない」で、できない理由を探すことはやめてください。青年会議所は「やる」か「やらないか」です。それを決めるのは本人次第にはなりますが、折角この会に所属している以上、自分の成長のために、そしてこの地域のために果敢に挑戦していきましょう

 我々の成長が、この地域の未来を創るのだと信じて。