「所  信」
2005年度 (社)日立青年会議所
第39代理事長   滑川  裕
  ほんとうに大切なものってなんだろう?
誰もがみんな、がんばっている。一所懸命生きている。
でも、なかなか上手くいくことばかりではない。
悩んだり、落ち込んだりすることもある。
そんなときは、もう一度、ほんとうに大切なものってなんだろう、
心から愛する人、感謝しなければいけない人は誰だろう、
そんなことを、思い出しながら一歩一歩足元をみて、
周りの風景を眺めつつ、
ゆっくり考えてみませんか?
こころがふわっとしてきたら、今までのものさしでは測れない
ほんとうに『たいせつなもの』がみえてくるかもしれません。

◆ はじめに
  21世紀の扉が開いて5年。長引く不況から倫理観を踏み外す企業、こども達が引き起こす信じがたい残虐な事件、増加する自殺者、そして繰り返される戦争・・・。私たちの住むかけがえのない地球は、いったいどこへ向っているのでしょうか。多くの大人たちは過去のものさしを捨てられず、いまだに右往左往しているように感じます。
  青年会議所も大きく変わりゆく社会情勢の中で、その存在意義が問われています。しかし、私はこんな時代だからこそ、我々は青年としての気概を見せる時だと確信しています。幕末の志士たちが近代日本の建国に命をかけたように、 また創始の先輩たちが戦後日本の復興に情熱を燃やしたように。 メンバーひとり一人が時代を切り拓く確固たる志を胸に、ほんの一歩でも、前向きな積極的変化を創り出すことを自らの使命と信じ、果敢に行動して行こうではありませんか。

◆ 明確な目的を持とう
  私たちがJC運動に邁進するにあたって、常に意識しなければならないことは、その『目的』です。例会や委員会活動、各種大会など全ての事業を行う時、明確な目的がみえないままの行動は意味を持ちません。青年会議所運動は、1910年アメリカの一人の銀行員の世界平和を願う想いにより、その火が灯されました。その目的は「恒久的世界平和の実現のために積極的変化を創りだすこと」と定義されています。現在、その志は20万人を超える世界中の同志に受継がれています。そして、その核となり活動している私たち(社)日立青年会議所は1967年、『地域社会並びに国家の発展を図り、会員の連携と指導力の啓発に努めるとともに、国際的理解を深め、世界の繁栄と平和に寄与すること』(定款より)を目的として設立されました。
  2005年、あなたの人生の目的は、このJCの目的とその価値をしっかり共有しているでしょうか。『世界の繁栄と平和への寄与』という日立JCの目的は、あまりにもテーマが大きすぎて、私たち個人の目的ととらえるのは、いささか難しいと感じるかもしれません。しかし、世界で起きている全ての問題の原因は、間違いなく私たちの日常の中にあるのです。まちづくりやボランティア、各種研修事業など、その全ての活動はその目的達成の為に行われていることを忘れてはなりません。世界を動かす最初の一歩は私たちの“想い“に他なりません。想いが志となり、志が勇気となり、勇気が行動となるのです。今一度、目的をしっかり認識して、志を勇気に、そして行動に変えていきましょう。

◆ チャンスは自らつかむもの
  青年会議所には様々な出会いが用意されています。時にはその出会いがあなたの人生を変える大きなターニングポイントになることでしょう。人との出会い、事業との出会い、地域との出会い、ビジネスチャンス、外国人との交流、新たな価値観との出会い・・・、その出会いの全てが刺激的で、印象的であり、自らを大きく成長させてくれる学びの原点なのです。
  出会いを求めて、先ずはひとり一人が自らの意思で積極的に参加していくことが重要です。勇気を出して掴んだ出会いが、次の出会いを産み、人生のチャンスを自らつかむことになるのです。どんなに素晴らしい事業も参加しなければ何も得られません。40歳までという限られた時間の中で、どれだけ自分を磨けるかは個人の心がけ次第なのです。

◆ 魅力あるまちづくり・ひとづくり
  私たちが理想とするまちづくりの原点は、自分たちのまちは自分達自身で創るのだという社会変革運動を実践できる「ひとづくり」そして「なかまづくり」にあると考えます。我々JCがまちを直接的に変えることは困難かもしれませんが、地域の人々と共に語らい、学びあいながら、活力に満ちた活動を行っていくことで、それはまちを動かす大きなうねりに必ず繋がっていくと信じています。
  大好きな「日立」のまちを、元気と活力ある「まち」にするために、我々が地域のリーダーとして積極的に行動できる人間力を身につけなければなりません。青年会議所における人間力の定義は『一人一人が自分の目的(内なる基準)を明確にもち、内面的な育みを通して自己の成長を行い、かつ自分自身の成長に留めることなく、その「気づき」や「学び」を身近な人たち、家族、会社、地域の方々へ伝え、明るい豊かな社会の創造へ寄与すること』とされています。今こそ、自分を磨き、地域に貢献できる人間力を養っていこうではありませんか。

◆ 魅力ある企業づくり
  日立JCの価値を見出すために『ビジネスの機会』を多いに活用していくことが必要であると考えます。異業種集団としてのネットワーク活用やビジネス研修等、その活動が私達の企業にも直接的に役に立つJCでなければなりません。また循環型社会の構築を目指し、青年会議所内部にとどまらず企業においても積極的にスローソサエティを提唱していきたいと考えます。私たちは青年経済人の団体として、メンバーの会社が正しい姿勢でどんどん伸びていくことで地域経済に貢献できるのです。「さすが日立JCメンバーの企業は何かが違う」と言われるように、共に進化する組織になろうではありませんか。

◆ 未来を担うこども達のために
  純真に誕生する命は、自分の意志で育つ環境を選べません。たっぷりと愛情を注がれ、心の教育しっかりと受け、健やかに成長する環境を与えることは言うまでもなく私たち大人の責任です。我々が率先して責任を自覚した親であるための人間力を養うことはもちろん、地域の方々と共に語り一丸となって健全な青少年育成の環境整備をしていかなければなりません。大人が夢を追ってがんばることで、その背中をみて育つこども達も、夢を膨らませるのです。自分を律し、より良い影響を与える存在としての強い自覚をもって、青少年問題に取り組んでまいります。

◆ 40周年に向けて
  (社)日立青年会議所は2006年、創立40周年を迎えます。2005年はその準備の年として、40年間の輝かしい活動の歴史や、幅広いネットワーク基盤をいま一度再確認しながら、新しい時代の日立JCのあり方を真剣に討議し、未来を見つめる革新的なビジョンと運動方針をメンバー全員で享受できるような活動をしてまいります。

  輝かしい日立JCの歴史を線でとらえ、「変革すること」と「守るべきもの」を見極め、その延長線がどこまでも続くための1点をひとり一人のメンバーがしっかりと担い、新たなる日立の夢を創るべく邁進してまいりましょう。

  志を勇気に今こそ行動のとき、時代をきりひらくのは我々青年の使命である



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